TDE式身体バランス調整セミナーインタビュー「エネルギー調整の奥深さを楽しみましょう」

2023年5月1日 | インタビュー

6月の「TDE式身体バランス調整セミナー2023」開講にあたって、セミナーを担当する神原和成TDE式調整師協会長に伺いました。
「TDE式身体バランス調整」の解説と、エネルギー調整における大切なポイントについて、エネルギー研鑽のヒントとしてもお役立てください。

◎筋肉のバランスがポイント

──●今回のセミナーは、どのような内容を予定されていますか?

神原●昨年に引き続き、身体のバランスを調整するという基本を中心に行うのは変わりませんが、より使いやすくしようと考えています。
身体の調整のやり方をお伝えするので、専門性の高い解剖学的な内容ばかりで話を進めると、それだけで「難しそう」「理解するのがたいへんそう」と思われてしまいますので、そういった部分をできるだけ噛み砕いた表現で、わかりやすく展開するつもりでいます。
もちろん、施術のプロの方にとって、物足りない、内容が薄いということはなく、表現は平易でも、これまでの調整技術が集約された、中身の濃いものになっています。一般の方に理解してもらいやすくするために、何かを省いたり簡略化したりしているわけではありません。
奥深さはこれまでと変わりはなく、ただ表現する上で「難しそう」と思われないように伝えていきたいということですね。セミナーを通して、プロの方にも一般の方にも、調整できているという手応えや、成果として現れることを実感してもらい、エネルギー研鑽を続けていただくのが大きな目的でもあります。

──●「身体バランス調整」の大切なポイントになるのはどんなところでしょう? 以前の「TDE式調整法」との違いは?

神原●ポイントとなるのは全身の筋肉です。「身体バランス調整」では、全身の筋肉のバランスをまず調整します。背骨や関節などを動かすためにも、全身の筋肉のバランスを整えることが大切だと考えています。
人の身体はもともと良い状態でいようとしているのですが、なんらかの原因でそれが崩れたり、無理をして関節を痛めたり、背骨に歪みが生じたりして、身体に不調が生じます。その関節や背骨を動かしたり支えたりしているのが、筋肉であり、筋肉につながる靱帯です。その筋肉や靱帯のストレスを取って状態を良くしていけば、おのずと関節や背骨が良い状態に戻ってくる。それが、身体バランス調整のベースとなっている考えです。

──●頸椎をはじめとした脊椎や骨盤を最初に調整するのではないんですね。

神原●「TDE式調整法」の時はそうでしたが、「身体バランス調整」と名称変更してからは、まず全身の筋肉のバランスを調整する今のやり方になりました。

──●「調整法」から「身体バランス調整」に移行した経緯はどのようなものでしょう?

神原●実は、全身の筋肉のバランスを整えるやり方は、故・前本名誉会長がさまざまな研鑽を積んだ晩年にたどり着いたやり方です。名誉会長が講習会でデモンストレーションをされていた時、イスに座った被験者の後ろで何やら手を動かしていたのを覚えている方も多いのではないかと思います。それ以前は、横になった被験者の、骨盤や仙骨、脊椎、頸椎1番2番を動かすなどしていましたが、イスに座ったままで背後から調整するようになっていました。あれが、全身の筋肉のバランスを整えるやり方なんです。
名誉会長は一瞬で調整していましたし、何をするのか言葉での詳しい説明もなく、わかりづらかったかと思いますが、私は近くで教えてもらっていたこともあって、わりと早くから「こんなやり方してみたらええんや」と聞いていました。私自身も最初に教えていただいたのは、骨盤、仙骨から脊椎を調整するやり方で、脊椎一つひとつの動きを確かめながらTDEを送って調整していました。その後、頸椎1番を1mm調整するやり方などを経て、「全身の筋肉のバランスを整えてやると、すごくええんや。最近、ワシはこればかりやっとる。筋肉のバランスが整えば、骨盤も何もせんでええんや」と。名誉会長が講習会で最後の頃にやっていたやり方なんです。

──●前本名誉会長の調整法の進化形だったのですね。

神原●調整した後「ちょっと腕を上げてみて」とか「肩を回して」と言っていたでしょう。

──●はい。調整前とどう違うかの確認のためですよね。

神原●実はあれ、変化を確かめていたのではなく、調整後に筋肉を動かすことで、より元の良い状態に戻りやすくするためでもあるんです。首の調整をした後に「口を開けたり閉めたりして」ということもありましたが、あれは口を開閉することによって頸椎1番2番あたりの筋肉が一緒に動くんです。それによって、頸椎のズレも解消されてくる。あの自分で動かす動きも調整の一部だったわけです。

──●見ていてもわかりませんでした。

神原●調整を受ける側は、調整前の状態を自分でわかっているから、動かしてみると「楽だ」と実感できますけど、周りで見ているほうはなかなかわからない。調整前後で比較しているんだろうなくらいにしか思わないですよね。
全身の筋肉のバランス調整をしたことによって、関節などが元のいい状態に戻りやすくなっていて、さらにそれをサポートするには筋肉を動かしたほうがいいから、腕を上げさせたり、口を開けさせたり、歩かせたりしていた、ということなんです。

──●「身体バランス調整」、奥が深いですね。

◎余裕を持てること

──●これまでに受講された方の反応はいかがですか?

神原●一般の方からは「説明がわかりやすくて、自分でも使えそうに感じた」という声を多くいただいてます。再受講された方からは「それまでよくわからないままだったことが『ああ、こういうことなんだ』と気づけました」とおっしゃっていただいています。わからないままでは、面白くないし、不安だし、自信も持てないし、そうなったらなかなか使い続けられないですよね。それが「わかった」となると、こちらも「良かった。使い続けてくださいね」という気持ちになります。
プロの方、特に以前の調整法を受けられて「身体バランス調整」を再受講された方からは「実際にこのやり方をやってみると、すごく調整がしやすい」とか「成果が見えやすくなった」というお話をいただいています。
「結果が出せるようになって、施術をしていても焦らなくなった」とか「落ち着いて施術できるようになった」という声も届いています。私もそうだったのですが、お金をいただいて施術させていただいている以上、なにか結果が出ないと焦るし、自分を責めることが多くなるんですね。

──●やはりプロですからね。

神原●このやり方で成果が現れやすくなると、施術する側に余裕が出てきて、必要以上に焦ることがなくなります。すると、ますますパフォーマンスが上がって、良いほうに回っていくようになります。そういった好循環を経験するから、ストレスなく施術に専念できるようになるのでしょうね。

──●手応えを感じられると、もっともっと研鑽しようという気にもなりますよね。

神原●「身体バランス調整」として始めてから、プロの方にも一般の方にも使いやすく、エネルギー調整を実感していただけるようになっているのではないかと思っています。さらにもっと多くの人にTDEを使っていただけるように、また「エネルギーを感じられないから」「できているかどうかわからないから」と離れてしまわないように、この「身体バランス調整」をやっていきたいと思います。

◎エネルギーが働くイメージ

──●誌面で紹介できる範囲で「身体バランス調整」の具体的な内容を教えていただけますか。

神原●最初に全身の筋肉のバランスを調整するのですが、頭から足にかけて順番に調整していきます。まず、脳の左右どちらかから始めます。例えば、右脳を活性化させたら、次は左側の上肢に移り、左の上肢の筋肉のバランスを整えます。さらに右側の下肢へ移り、右の下肢の筋肉のバランスを整えます。それができたら今度は、左脳から右の上肢、左の下肢の筋肉のバランスを整えます。X字になるような調整をまずやります。
これが基本で、いちばん大切なところです。この調整によって、筋肉の状態をストレスのない、緩みすぎてもいない、強い緊張状態でもない、本来あるべき良い状態に戻せるからです。そうすることで、関節や歪みを生じているところは自然と良い状態に戻ろうとしていきます。

──●脳から上肢へ移る時に交差して、さらに上肢から下肢へ移る時にも交差するのですね?

神原●脳から上肢へつながっている運動神経は首のところで交差しています。上肢から下肢に移る時、筋肉のバランスを見ると、背骨、腰のあたり、胸椎と腰椎の間くらいのところで、筋肉は左右反対側と拮抗するようにバランスをとっています。そういった身体の仕組みとそのつながりで調整するのが効果的だとわかってきたのでX字になるように行っています。こういったことを丁寧に説明しながら全身の筋肉のバランス調整をしていきます。最近では皆さん、筋膜でつながっていることや、筋膜リリースという言葉をご存じの方も多いので、少しお話をするだけでスッと入ってくるようですし、そういった知識があるからこそ、腑に落ちてご理解いただけるようです。

──●納得できるとエネルギーも働きやすくなりそうです。

神原●言葉で理解してもらうだけでなく、明確なイメージが湧くとTDEはより働きやすくなります。具体的にイメージできればできるほど、エネルギーの働くところが絞られて、調整の成果も出やすくなります。わかりやすい言葉で説明する目的は、より明確なイメージを持ってもらうためでもあるんです。「身体バランス調整」の何がいいかというと、身体に関しての専門的な知識がない人でも、全身の筋肉のバランスを調整しさえすればいいというところ。脊椎の構造、骨盤がどうなっているかとか、そういったことを知らなくても調整できます。解剖学的な身体構造がわからなくても、何はともあれ全身の筋肉のバランス調整さえすればいいということです。
もちろん、プロでお金をいただいて施術をする方であれば、より効果を高めるために、解剖学的な知識は必要ですし、知識があればあるだけイメージがしやすくなり、確かな変化を期待できるようになります。それぞれが求めているレベルによって、知識や意識をどのくらい深めればいいかが決まってくるわけです。
例を挙げると、首の筋肉を調整する際に、一般の方であれば、首の周りの筋肉を大まかにイメージするだけでいいのですが、プロの場合なら、胸鎖乳突筋や頭板状筋などを意識できれば、より繊細にエネルギーが働き、いっそう効果的になります。肩甲骨の周りの筋肉、胸周りの筋肉、肩周り、腕周り…だいたいのイメージでもエネルギーは充分に働いてくれますが、専門的な知識があればあるほど、エネルギーはピンポイントにしかも繊細に結果を出してくれるんです。
最初から、掘り下げた部分が必要となると、一般の方には難しいので、専門知識がなくても変化が出るような方法を追求した結果、今のやり方にたどり着いています。

──●膝が痛くても、肩が痛くて腕が上がらなくても、まず全身の筋肉のバランスを調整する。それでも、まだ膝や肩に違和感がある、という場合はどうするのですか?

神原●もちろんそういった個別の調整のやり方も説明します。まず、全身の筋肉のバランス調整をして、プラスそれぞれの調整をしてもらうことになります。
セミナーは、土曜午後と、日曜午前、午後の3行程で行われます。最初の行程で、全身の筋肉のバランス調整を主にお伝えします。2番目の行程で、骨盤や仙腸関節、脊椎など、それぞれの調整のやり方、ストレスの抜き方など。3番目の行程では、それを実践でやっていただきます。

──●それまでの調整法のやり方、例えば頸椎1番2番の調整や、骨盤の整え方なども含まれているんですね。

神原●もちろん、エネルギーの働きを実感できるよう、実際に結果が出るように、お伝えしています。
また、身体バランス調整セミナーでは調整技術の説明を受け、実習をすることで知識、技術を習得していただきますが、さらに様々な不調に対して、より深くより速くより強くアプローチできるように9つのアクティブオートロード(ぬきたま、ストレスクリア、骨盤の調整、脊椎の調整、関節の調整、筋肉の調整、頭部の調整、神経の調整、全身のバランス調整)を受けていただきます。これにより各種調整を的確に、よりしっかりと行えるようになります。
私も、調整方法を教えてもらい施術の中で使っていましたが、これらのアクティブオートロードを受けてからは、さらに調整しやすく、エネルギーの働きも顕著になりました。
調整技術を学び、実践すれば必ず調整は可能になります。その上で、これらのアクティブオートロードを受けることは「調整の近道」と言えます。

◎純粋にTDEを流すこと

神原●エネルギー調整に限らず、TDEを使う時は「ボクが治す」とか「私が何とかしてあげる」といった感覚を持つのは違うと感じています。結果を求め過ぎないことも大切です。

──●プロの施術家であれば、どうしても結果を求めてしまいそうですが。

神原●プロの場合、結果を求め過ぎると「結果が出なかったらどうしよう」と不安になります。不安な気持ちがあると、エネルギーは素直に働いてくれません。だから「結果を出す」「自分が何とかする」じゃなくて「クライアントさんが良くなるようTDEが勝手に働いてくれる」「エネルギーが働くようにサポートするだけ」。そういう気持ちでエネルギーを使うと良い作用が出やすくなります。
よく八木橋良一調整師が、トリートメントをする時でも、TDEを使う時でも「赤ちゃんになって」とおっしゃるのが、まさにそうで、赤ちゃんになってというのは、「何も考えないでTDEを使う」ということなんです。トリートメントをする時には、手からTDEを出したら、あとはもう構わない、何も考えないということです。TDEを脳を通して手から放出なんて考えたり、手からちゃんと出ているんだろうか、などと思ってしまうと、素直なTDEの働きはしなくなってしまいます。「赤ちゃんになって」というのは、ただ純粋にTDEを流すことをイメージした時の表現なんです。
佐々木勇吉調整師の著書『エネルギー調整 研鑽ノート』でも、巻頭のところに「エネルギーに任せる」とか「結果を求めるな」と書いてありますが、同じことを言っているのだと思います。エネルギー調整をするというのは、大きなエネルギーのTDEを使うことの一部分で、大もとの部分は全部つながっているんです。調整に限らず、エネルギーに関わるには、そこのところをどう理解するかがとても大切です。

──●八木橋さんや佐々木さんの調整のやり方は、ちょっとずつ違っていますが、根本の部分は一緒なんですね。

神原●『エネルギー調整 研鑽ノート』に載っている個々のやり方は、佐々木さんならではの捉え方があって、すごく面白く読ませていただきました。私自身も「そんなやり方もあるのか」と思うところもたくさんありました。そこがTDEの面白いところで、どのようにTDEを働かせたいか、それぞれがいかにイメージできるかという点が重要なんです。
例えば、西洋医学だったら、胃が痛い場合、普通に考えればまず薬を飲んで治そうとするのが一般的かと思いますが、エネルギー的に考えると、胃の状態が悪いなら、胃のストレスを抜いてやる、状態の悪いところにTDEを流してきれいにする、痛くなる原因の場所を探って原因の個所にTDEを働かせる、そしてもちろん全身のバランスを整える、とさまざまなアプローチができるわけです。
大切なのは、胃が痛いとなった時に、もうこれしかないといったやり方じゃなくて、いろいろな引き出しをもってアプローチすること。そのためにも、幅広い知識を持ち、経験を重ねないと、引き出しは増えません。引き出しとは、エネルギーを使う人それぞれのアイデアであり、興味や好奇心、向上心の表れです。それを増やすことが研鑽だと思うんです。
よく講習会やセミナーで、参加者から「このやり方じゃダメですか?」と聞かれることがあります。そのやり方が、正しいか間違っているかというのは、誰かに判断してもらうことじゃなく、まずやってみて、なにがしかの変化が出るのならそれでOK。変化が出ないなら、別のやり方を試してみればいい。それだけのことなんです。良いかどうかはエネルギーが判断してくれます。
もちろんセミナーでは、指針がないと話が進みませんから「こういったイメージで」「こう使ってみてください」と言います。でもそれはあくまで1つの指針として、1つの方法としてのこと。そこから先の枝葉は、ご自身でいろいろとやってもらっていいんです。それが研鑽ということです。
八木橋さんや佐々木さんは、その枝葉がすごく多くてオリジナリティにあふれている。ただ、幹の部分は一緒。TDEの基本的な使い方、エネルギーに対する接し方は共通しているんです。

──●確かに、エネルギーを使う時のスタンス、心構えは、皆さん同じことをおっしゃっていると感じます。

神原●このエネルギーやTDE能力は、自分のためだけじゃなくて、他の人の役に立つようにも使ってほしいと常々思っていますが、佐々木さんの本にも同じことが書かれていました。プロの治療家が陥りがちな「オレはもうできる」「オレが治せる」というのが、もっとも危険だということもおっしゃっている。なんでもそうだと思いますが「もうできる」とか「これでいい」と思ってしまうとそれ以上の進歩は望めません。枝葉もつかなくなってしまう。枝葉がつかなくなったら、それまでの技術や知識ではどうにもならない状況が訪れた時、別のやり方が出てこなくなる。そうなると、自分でできないことは認めたくないから、クライアントに対して「あなたが悪い」「気のせいだろう」と言うようになってしまう。そうじゃなくて、クライアントが「良くなっていない」と言ったらそれが事実なわけです。そこは素直に受け入れ、さらに考え、対処しなければいけない。そうしないと、進歩がないんです。

──●研鑽を続けなければならないというのは、そういうことなんですね。

神原●プロの方で、ある程度クライアントさんがついて順調にされている方が、セミナーや講習会に積極的に参加されているのは、とても素晴らしいことだと思います。新しい方法を吸収して、こういうやり方もある、こんな方法もあるならちょっとやってみようと、ご自分の引き出しを増やそうとしている姿勢が見られるからです。そればかりか、ご自分の経験から得たものを人に教えることもできます。私自身も、東京講習会で美容調整のお話を聞いた時に、顔のリフトアップをする際、リンパの流れをよくして、まずむくみを解消させるというやり方に「なるほど、これは面白いな。今度試してみよう」と思いました。これも気づきですね。

──●神原協会長でも、そういう気づきはあるんですね。

神原●もちろんです! それも研鑽です。エネルギー調整をして、こうやったらこんな変化が現れたということを、他の人に教えてあげる。そういう機会や場があるというのも、PH会の意義だと思っています。研鑽をもっと活性化して、情報を共有し、技術も共有する。それはとても大切なことなんです。

◎エネルギーを使う楽しさを

──●「身体バランス調整セミナー」には、どのような方に参加していただきたいでしょうか?

神原●もちろん、プロの施術家の方であれ一般の方であれ、新規の方は大歓迎です。さらに、これまで調整法セミナーなどを受講されて「どうもうまくできない」「手応えがなくてやめてしまった」という方には、再受講という形で参加していただきたいです。
講習会で会員さんから、調整やTDEのことを、いくら聞いても、いくらやってみてもわからないから面白くない。だから、講習会にも来るのをやめようと思っていると言われると、すごく責任を感じるわけです。「みんなが使えるようにしたい」という思いで取り組んできましたから、エネルギーに興味を持っていただいて門戸を叩いてくれた方の期待に応えるものを提供するのが、私たちの務めだと思うわけです。エネルギー調整の醍醐味を味わっていただきたいし、特に私自身としては、これまで受講したのに離れてしまったり、モヤモヤした思いをもっている人たちに参加していただきたい。もちろん再受講の方でも、今の全身の筋肉のバランス調整をご理解いただいて、確かな結果を出せるよう、精一杯尽力するつもりです。

──●セミナーに参加するのはまだちょっとハードルが高いなあと思っている初心者でも、エネルギーを体感できる、調整のやり方のアドバイスはあるでしょうか。

神原●まずは、気軽にエネルギーを使ってみることです。例えば、肉離れを起こしてしまった人がいるとします。その場合、肉離れを起こした痛いところに手を置いたり、かざしたりして、TDEを流していく。肉離れの状態がどうなっているかわからないなら、足だったら、足先から痛みを流し出すイメージでTDEを送ってあげる。腫れているなら腫れをスーッと流していくように、内出血しているのがわかったら滞っている血液を流していくように、そういうイメージをもってTDEを流していく。それだけで、回復力が増してきます。

──●それは、全身の筋肉のバランス調整をしなくても?

神原●もちろん、やるに越したことはありませんが、あれもこれもとハードルを高くすると、難しいじゃないですか。少しでも痛みを和らげるとか、つらい思いをしている人の助けになるくらいの思いでTDEを使うだけでも、治るのに1週間かかるところが5日間で済むことになるかもしれない。少しの変化や、痛みが和らいだと相手が喜ぶところを見られれば、それでいいんです。

──●確かに、全身やらなきゃとか、順番を覚えなきゃと考えていると、だんだんわからなくなってしまいますが、シンプルに痛いところにTDEを流すだけでも変化が感じられれば、エネルギーを使うことが、それほど難しいとは感じなくなるかもしれませんね。

神原●難しく考えすぎず、自分でエネ感がないと思っていたとしても、使った相手が「楽になった」とか、「なんだか温かくなった」といった変化を知るだけでも、エネルギーを使えているのがわかるはずです。

──●はじめの一歩は、そこですよね。

神原●そこだと思います。私もエネルギー調整を始めた頃は、なんの感覚もなく、ひたすら骨盤と仙骨と脊椎と…とやっていて、それからだんだん変化を実感できるようになり、手応えを感じ、エネルギーを使うことが楽しくなり、やがて結果につながっていったわけです。

──●そういった、手応えや、喜びや、感動とか、続けていれば味わえるのですね。

神原●私の周りには、前本名誉会長をはじめとしたすごい人たちがいたので、どうしても真似できないし、ああはなれないと思ってしまいましたが、名誉会長だって最初から能力が高かったわけではないんです。
佐々木さんの書籍に「駄馬」の話が出てきますが、あれは前本名誉会長のことだとも思うんです。「駄馬は、サラブレッドのようなスピードも華やかさもない代わりにどんな重荷を背負っても一歩一歩進むことができる」と。やり続けることの大切さ、TDEをひたすら使い続けていれば、何かができるようになるということです。
「このエネルギーはウソじゃない。信用せんでもええからやってみて、結果が出たらええやんか。それが、エネルギーが働いたのか、たまたまか、そんなことは気にすることない。相手の人が楽になったら、それでいい」と。
TDEを知って、関わった人たちには、なんとかエネルギーを使えるように、できるようになってほしい、と。そういった考えを引き継いで、私自身ももっと研鑽を続けていこうと思います。

──●セミナーが楽しみになってきました。

神原●ありがとうございました。皆さんお待ちしています!